思い出に残る授業をおこなう。それが安全につながると信じて
私自身が教習に通っていたとき、実はものすごく苦労しました。
元来、飲み込みが遅く、初めてのことができるようになるのに時間がかかる私は、たくさんの失敗をしています。
でも、そんな私だからこそ、教えられることがあると思うのです。
教習中、心がけていることは、とにかくお客様のペースで進めること。
些細なことですが、たとえばお客様がシートベルトを締めてから私も締める。シートの位置を調整してから私も調整する。
少しでも焦らずに、リラックスして運転に集中してほしいのです。
お客様に「合わせる」感覚は、学科の教習でも実践しています。
お客様に合わせて話題を変えたり、話し方そのものも、落語や予備校の人気講師の授業などを見て勉強しています。
どれだけ正しいことを教えていても、伝わらなければ意味がありません。
特に学科教習は、教本を読むだけになったり、ビデオを流して終わるなど、退屈なものになってしまわないよう、教本に載っていないようなエピソードを交えて話をすることがよくあります。
そんなときはお客様が教本から顔を上げて、興味深く耳を傾けているのがわかります。
お客様には極力、楽しいと思って授業を受けてほしいです。
そうすれば、退屈に感じているときの何倍も知識が頭に入ります。
難しいことをわかりやすく、おもしろく伝えたい。それが印象に残れば、
「あのとき先生がこんなこと言ってたよな。気を付けよ!」と
事故・違反に対する心のブレーキになるのだと思っています。
伝える側の指導員が楽しくなければ、お客様も楽しくならない。
どうやってお伝えするか、工夫するのも指導員の腕の見せどころです。
私たちも日々楽しみながら工夫しています。
思い出に残る教習こそが、乗る人の命を守る最高の経験になると信じています。
MESSAGE
教習中、わからないことも出てくると思います。それでも、最後まであきらめず、一緒にがんばりましょう。正しく理解できるまで伝え続けることはもちろん、心に残る授業をおこないます。